今回はヘッドアンプについての記事を書きたいと思います。
一般的な家庭用オーディオインターフェイスには、マイクインと書かれているマイクケーブルを接続する入り口が付いています。
基本的な機能をそなえているために、別途ヘッドアンプを購入する方は少ないと思います。
Mix用とRec用オーディオインターフェイスを分けて考えるの記事の中で、ご紹介したUniversal AudioのUnison機能を使用する方法を、コスト面、パフォーマンスを含めた総合的な意味で僕はオススメしていますが
今回はモデリングではない本物志向の音質を求める方に向けた内容になります。
現在自分が使用しているモニター、オーディオインターフェイスに不満は全ないけど
ボーカルやマイクで録音した楽器の音質を向上させたい
モデリング系の機材では満足できない本物志向
そんな方に向けた内容になります。
トータルリコール(PC完結型)に重点をおいている方への良質なインプットを実現する機材は、ダイレクト・ボックス、クロックなども存在しますが、今回はヘッドアンプ編です。
それでは詳しい内容に入っていきましょう!
なぜヘッドアンプが必要なのか
皆さんが使用しているマイクには、音を電気信号に変化させる機械がついています。
その機械を通して、人間の声などが音から電気信号に変わっていきます。
はじめの電気信号はマイクレベルという状態です。
マイクレベルは非常にレベルが小さく、ミキサーやDAWで、扱いやすい状態にするには、Lineレベルという状態まで信号を増幅する必要があります。
そのための機械がヘッドアンプと呼ばれています。
増幅するときに音質の傾向を大きく左右するパーツでもあり、増幅のときに信号とは別のノイズを拾いやすい部分でもあるため、性能の良いヘッドアンプを皆さん使用するわけです。
SNが悪いなんて言葉を良く聴くかな?
シグナルとノイズの比率の事だね!
どのようなヘッドアンプを選択すれば良いか
色々なメーカーが、それぞれ発売しているため、初心者の方では選択が難しい機材の1つだと思います。
たくさんのヘッドアンプ使用してきて僕が思うことは、使用しているマイクとヘッドアンプの製造された年代を合わせるということが重要だと思います。
機材を開発する方たちは、現在市場で頻繁に使用されているマイクを使ってヘッドアンプを開発しています。
製造したヘッドアンプが、高級なビンテージマイクとの相性がどんなに優れていても、高級なビンテージマイクを持っている人にしか売れません。
ビンテージのマイクには、ビンテージのヘッドアンプ。
新製品のマイクには、新製品のヘッドアンプ
このような感覚で選択していくと新製品チームの中には安価でも、高パフォーマンスな組み合わせも存在します。
しかし牛肉のAランクのような肩書きが、ヘッドランプにも存在しています。
ある程度の値段以下の商品を選んでしまうと、オーディオインターフェイスのヘッドアンプの方が良いなんてことにもなりますので、気をつけて欲しいです。
相性を確認するためには、実際に自分の作業環境に取り入れて確認する必要があります。
実際の機材に手を出す前に、Universal AudioのUnison機能を使用して、ある程度ヘッドアンプの方向性をご自身で確認するのも良いかもしれません。
ヘッドアンプの傾向を確認できるのでUnison機能は本当に素晴らしい仕組みです!
Focusrite / ISA One
ISA 110モジュール伝統のサウンドをコンパクトに!
Focusrite / ISA One
安心VUメーター付き
インサートで拡張性ばっちり
コンパクト設計
オールマイティ
操作スピード
マニアック度
痒いところに手が届く
僕はボーカル録音でISA 215を好んで使用していますが、現在はなかなか手に入らないのでISA Oneをオススメします。
ISA 215を中古で発見したらそっちでも良いと思います!
様々な種類のマイクにも対応していて、DI機能も付いているので、はじめの1台としては便利なヘッドアンプだと思います。
イコライザー、コンプレッサーがついていないタイプですが、インサート回線があるのでアナログの機材を挟んで、自分だけのチャンネルストリップにすることが可能です。(チャンネルストリップとは、大型コンソールのようなヘッドアンプ、イコライザー、コンプレッサーなどがセットになっている機材のことです。)
アナログ領域での適正レベル&音質調整(実践編)の記事で紹介したような、ドラムなどのピークを抑えるような作業ではあまり使用しないですが、ボーカル、ピアノなど良く選択肢に入るヘッドアンプです。
MANLEY / VOXBOX
NEUMANN / U87との相性がとても好きです
MANLEY / VOXBOX
ボーカルの下処理はこれ1台で完成
ボーカル専用機材ではないので設定次第で何にでも使えます
特殊なコンプレッサーで自然な仕上り
オールマイティ
操作スピード
マニアック度
痒いところに手が届く
MANLEY / VOXBOXはチャンネルストリップと呼ばれる機材です。
NEUMANN / U87とのセットで使用することが僕は多いですが、本当にすばらしい機材だと思っています。
ボーカル録音の際に行いたいと思うことのほぼ全ての機能を持っているような機材です。
GAINの考え方が少し特殊なので、初めは使い方にとまどうと思います。
エフェクターやギターアンプなどについているトーンのような考え方で使うといいと思います。
コンプレッサーの考え方も特殊でナチュラルなかかり方だと思います。
録音後のコンプレッサーのかけすぎ事故がおこりにくい安心設計です。
他の機材に比べると、コストが高く見えますが、イコライザー、コンプレッサー、ディエッサーなどの機材を準備すると考えるとお得な組み合わせだと思います。
ボーカル、ベースなどの録音で主に使用しています。
女性ボーカルでパワーがもう一押し欲しい時などとても良いです!
AMS NEVE / 1073SPX
ビンテージ1073の生まれ変わり?
AMS NEVE / 1073SPX
エンジニア格付けクイズでNEVEクイズが出たら、間違える人続出
メンテいらずの新品の1073
インサート機能で、チャンネルストリップにもできる
オールマイティ
操作スピード
マニアック度
痒いところに手が届く
パート・ニーヴさんが開発したことで有名な、NEVE 1073の現行品ともいえるヘッドアンプです。
AMS NEVE / 1073SPXはビンテージのNEVE 1073とかなり似ていると僕は思いました。
普段はビンテージの1073を使用していますが、頻繁にメンテナンスをしていないとガリやノイズなどがでるデリケートなビンテージ機材なので、これから購入する方にはAMS NEVE / 1073SPXをオススメします。
正直ブラインドチェックしても違いはわからないと思います。
僕は間違いなく、三流エンジニアになってしまうと思いますw
NEVEのサウンドを目指したヘッドアンプは色々出ていますが、この製品が僕は1番良いと思いました。
コンプレッサーを使わずに、楽器やシンセのピークを取りたい時などに良く使用しています。
パート・ニーヴさんはRupert Neve Designsという製品を現在は制作されていて、僕は542 – 500 Series Tape Emulatorに大変興味があります。(Rupert Neve DesignsシリーズのDIやヘッドアンプはあまり好みではありませんでした。)
まとめ
僕の場合、使用するマイクはビンテージが多いです。
そのためヘッドアンプの志向も少しビンテージに寄ってしまっていると思います。
Audio-TechnicaやsE Electronicsなど、新開発のマイクもたくさん発売されています。
それらのマイクを主流に考える場合は、新製品のヘッドアンプを試していくことが必要だと思います。
特に宅録では同時録音が必要とされない場合が多いため、チャンネル数を少なくした製品を選択することで、コストを下げることが可能になると思います。
1チャンネルの製品もたくさん発売されていますしフィルターなどの機能も、のぞかれた商品も発売されています。
現在使用しているマイクにLoCutスイッチがあり、LoCutがその帯域で問題無いのであればヘッドアンプの方はLoCutが付いていない物を選択しても問題ありませんし、先にカットできた方が有利です。
インサート機能がないヘッドアンプだったとしても
ヘッドアンプ→イコライザー>コンプレッサー
と繋げていくことが可能です。
ただしトリムが無いと、アナログ領域での適正レベル&音質調整(実践編)このような使用方法が出来ないので、ゲインとトリムが付いているタイプであれば、安心して購入してみてください。
今回はオススメ宅録HA(ヘッドアンプ)3選という内容で解説させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
裏スタ
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