お気に入りのMix師の方とまだ出会えていない歌い手の方の場合、ミックスが終わった音源を確認してみた時に自分が想像していた完成と少し違うなと思うことがあるかと思います。
誰かにミックスをお願いしている状態の場合、DAWの使い方が苦手な方も多いと思いますので修正のオーダーをする際の注意点などを解説していきたいと思います。
オーダーをする際に渡していたリファレンス音源と雰囲気が違うことはわかるのだけど、どう説明して良いかがわからず、歌の音量だけを大きくしてもらって雰囲気の修正は諦めたという経験を皆さんから多く聞きます。
僕自身も自分でミックスをするまでは、同じように完成後の違和感を多く感じていました。
違和感がどうしても解消できない悩みから、自分でミックスをするという方向性にシフトしていきます。
現在では、別のMix師の方にミックスをお願いすることもありますし、この方にお願いしたらこんな音源に仕上がるだろうという予測も出来るようになっています。
出来上がった音源の微調整をお願いすることもありますが、ミックスを行った人への相談という程度になっていると思います。
誰かにミックスをお願いした時に、僕が考える音楽の聴き方をお伝えしていければと思います。
それでは詳しい内容に入っていきましょう!
リファレンス音源への執着は捨てよう
曲作りやミックスの方向性の説明で、別の楽曲を使って音の雰囲気を伝えることがあります。
リファレンス音源と呼ばれていて、楽曲の低音と高音がどのくらい出ているかや、音圧はどのくらい出すかなどを説明する際には大変便利な音源です。
特殊なエフェクターの音を相手に説明する際などにも、たくさんのエフェクターの種類を知らない状態の場合は便利だとは思います。
楽曲制作のイメージとして使用することは問題ないのですが、ミックスの最中にリファレンス音源との違いをMix師に多く発言するとMix師はこんな風に思っていると思います。
リファレンス音源と、この曲の構成されている音が違うんだけどなぁ
全く別のパーツを合体させて、新しい音源を作っているミックス作業の中でリファレンス音源とは別の手法を使ってそれぞれのパーツとの接点を工夫することがあるということを忘れない方が良いと思います。
修正のオーダーの際に、自分がどの部分に違和感を感じているかを注意深く音源を観察する必要があります。
自分の気に入っているリファレンス音源との違いを何度も確認して、新しく作っている音源のどのパーツを変化させれば気に入る形に変化するかを自分自身で考えてみます。
大抵は、自分が注目しているパーツ以外の音が干渉して思った感じに聞こえていないことが多いです。
もう少し詳しく音の仕組みを理解してみたい方はこちらの記事も合わせて読んでみてください。
DAWを使える方は過度に数値でオーダーをするのをやめよう
自身でDAWを操作している場合は、数値でミックスを考えますが、誰かにオーダーしている時はあまり数値で相手にオーダーを伝えるのは良い方法ではないと僕は思っています。
ベテランの方であれば、数値を良い感じに雰囲気として扱ってくれると思いますが、言われた通りの値を修正するだけの音源が届き自分が思っている値はもっと大きかったという場面を良くみます。
音源の中と何と比べて、どう感じているかを伝える方が思った感じになることが多いです。
人間の脳は不思議な物で、注目しているパーツのことを考えている時にはそれ以外のパーツのことをどうしても考えられていない状態になります。
Mix師は、ミックスの最中に歌い手さんが注目しているパーツ以外の部分を常に気にしていて全体のバランスが崩れないように調整をした音源を提出してくるということを覚えておくと良いかと思います。
最後は必ず歌詞を見ないでも言葉の意味が伝えわるかを確認しよう
誰かの心に音楽と言葉が届いた時のイメージがとても重要で、歌い手の方達はよりリスナーさんに近い立場で、思ったことを伝えるということが大切です。
Mix師はミックスをする過程の中で単独の音を何度も聞きながら作業しています。
単独のチャンネルを聞いてしまうので、楽曲のそれぞれのパーツがどんな音をしているかを知ってしまっています。
単独のチャンネルのイメージを持ったまま、ステレオ音声を聞く場合どうしても脳が聞こえない音像を補完して聞いてしまうと思います。
歌詞の意味が歌詞カードを見ないで理解出来るかは、プロデューサーやディレクターさんが判断することは、とても多いです。
最後に、歌を少し大きくした音源も同時に作ることもあるくらいなので、後日落ち着いた感情で最終的に使用する音源を決定しても良いかもしれません。
まとめ
今回は、Mix師さんから届いた音源を修正する場合に注意しておく点をいくつか解説しました。
届いた音源に違和感を感じた時は、自分がどの部分に違和感を感じているかを自分自身が理解する必要があります。
初めのうちはとても難しいことだとは思いますが、何度もMix師の方達と会話していったり自分が出したオーダーで楽曲の形が大きく変わってしまったりする経験を経て徐々に修正オーダーに慣れていくものです。
自分が今注目している部分を聞いている時、Mix師はそれ以外のパーツを常に気にしている。
このことを考えながら修正オーダーを出していくと、自分が思った通りにならない意味が少しづつわかってくるかもしれません。
歌い手さん向けのまとめ記事はこちらになります。
お時間のある時に是非こちらも読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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