機材の中には価格を大きく下げて質を落としているような機材。
価格を上げて質を重視する機材など、用途に合わせて様々な商品が発売されています。
今回はMix師をこれから始める人のために、僕が初心者の時に出会いたかった機材を紹介していきたいと思います。
少しずつ機材を集めてきたが、自分の技術が上がっていくたびに、機能やクオリティーが納得できず無駄に機材を何回も買い換えている。
こんな内容でずっと悩んでいませんでしょうか?
値段はそこまでしないが、将来自分の技術が上がっていった後でも使っていけるような、長い付き合いになれる機材を紹介していきたいと思います。
それでは詳しい内容に入っていきましょう!
スピーカー
Mix師をするのであれば、まずは良質なスピーカーは必要になってきます。
自宅のDAWをアップグレードしたい方へのお勧めセットの記事の中で紹介した中ではIK Multimedia iLoud MTMぐらいから始めると良いかと思います。
こんなに小さいのに自動EQ補正スピーカー
IK Multimedia / iLoud MTM
初心者に優しい自動EQ補正機能
スピーカースタンドが無くても設置可能
音響設計されていない家庭環境に最適
音質
操作スピード
マニアック度
クール
日本の家庭環境ではなかなか、これ以上のサイズのスピーカーを鳴らすことが難しいのでフラットに音を鳴らすという部分を優先していくと良いと思います。
また家庭環境では、音響設計などがされていない為に色々な帯域が凸凹している状態になっています。
その環境でどんなにフラットなスピーカーを鳴らしても、凸凹な音像を聞いていることになります。
そこで、このスピーカーについているARC™ System技術で部屋の特性学習し、あなたの部屋専用のスピーカーに自動で調整。
一度体験すると、もう調整機能の無いスピーカーを選択することは怖くて出来なくなると思います。
オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスがないとパソコン単体では録音も再生も、良い状態ではおこなえません。
初めのうちはたくさんの入出力は必要ないと思うので、コンパクトなモデルを選択すると良いと思います。
マニュピレーターさんは90%この会社のインターフェイスを使用している
MOTU / M2
コンパクト設計で持ち運びに便利
ダイレクトモニターでレイテンシーを気にせず録音可能
大型LEDでレベル管理が可能
音質
操作スピード
マニアック度
クール
WindowsでもMacでも使用できるオーディオインターフェイスです。
Digital Performer専用の印象が皆さんあると思いますが、他のDAWでも特に問題なく使用することができます。
CPUに依存するオーディオインターフェイスの中では、僕は好きな会社です。
Cubaseとのセットで購入してからもう、十数年使用しているMOTU 828mk2 FWですが、今も最新のOS10.15.7で問題無く使用できています。
大きめのメーターでレベルを常に確認することができるので、クリップなど事故を防ぐことができると思います。
将来ライブでマニピュレーターも仕事もしたいと考える方であれば、Performer Liteと言うソフトが付いているのでDigital Performerの導入の前に慣れておくことが可能になります。(Ableton Live Liteもついています。)
もう1つだけ紹介しておきます。
ボーカルの音量調整は、やっぱり手動でおこないたい
PreSonus / ioStation 24c
大人気FaderPortとオーディオインターフェイスを合体
192kHz対応
録音の開始などが別売りのフットスイッチで可能
音質
操作スピード
マニアック度
クール
こちらはオーディオインターフェイスの機能と、DAWを直感的にコントロールできるコントロールサーフェスを合体させた商品です。
この製品についているコントロール部分は、プロのエンジニアが大型コンソールからDAWだけのミックス環境に移行していく中で、大型コンソールからどうしても連れて行かなければならなかった、機能が詰まっています。
中でも重要なのは100mmタッチセンシティブ・モーター・フェーダーです。
DAWの中の選択したフェーダーと連動して、モーターで物理的なフェーダーが一緒に移動していきます。
大型コンソールのフェーダーも、メーカーごとにそれぞれの動きをしていた為、フェーダーも様々なモードがあり、それぞれのMix師が好みのモードを選択しています。
歌詞の聞き取り易さを確認(スピーカー、大中小それぞれ確認する)の記事の中で登場してきた、ボーカルの音量調節をおこなう際。
Mix師は音を聞きながら、このフェーダーを上下させて音量を決定していきます。
変更したい部分を聞きながら、フェーダーに手を乗せて、上下させると音量を修正することが可能です。
ペンシルツールなどで、ボリュームデータを書き込んでいく方法とは違い。
直感で感じた値を人間の手で修正を加えていく事は、とても音楽的な結果をもたらすようで、エンジニアの皆さんの机の上にはこの100mmタッチセンシティブ・モーター・フェーダーがそっと置かれていることが多いです。
また自身で楽器の演奏などをされる方の場合は、フットスイッチを使った録音なども便利な機能です。
両手が埋まっている状態でパンチインをしたりなどができます。
こちらはフェーダーのみの商品です。
1本の100mmタッチセンシティブ・モーター・フェーダーはこれで決まり
PreSonus / FaderPort
省スペースで邪魔にならない
色々なDAWで使用可能
録音の開始などが別売りのフットスイッチで可能
反応性
操作スピード
マニアック度
クール
こちらはオーディオインターフェイスの機能はついていません。
DAWのコントロールのみをおこなう機材になります。
既にオーディオインターフェイスをお持ちの方はこちらを選択すると良いと思います。
無料のDAW
最近ではいくつかの有名メーカーが無料のDAWを出してきているので、初めの一歩としてはこれらのDAWを使ってみるのはいいと思います。
それぞれのメーカーの特性もわかりますし、長い付き合いになるソフトなので慎重に選択したいところです。
DAWの選択で悩んでいる方は職業別DAW得意分野解説をぜひ呼んでみてください。
代表的なものを2つほど紹介します。
オーディオ録音、編集の王様
AVID / Pro Tools First
商業スタジオはほぼこのソフトです。
オーディオ録音と編集では負けなし
チームやりとりや過去のデータの互換性は抜群
音質
オーディオ編集
MIDI編集
マニアック度
まずはAVID / Pro Tools Firstです。
僕はMix師やレコーディングエンジニアを中心に今後の活動を考えているのであれば、間違いなくPro Toolsをお勧めします。
業界全体基本のソフトになってしまっているので、なかなかこちらのソフトを使わずにMix師やレコーディングエンジニアをしていくということが難しい時代だと思います。(ほとんどの商業スタジオでも使用されています。)
最近ではMIDIの機能も徐々に進化してきているので、MIDIの作業などで困ることも少なくなってきました。
Pro Tools Firstは無料のソフトになるのでとりあえず試してみる程度で問題ないと思います。
コスト、機能のバランスが抜群
PreSonus / Studio One Prime
自己完結した作業を中心とするプロデューサー向け
コストは抑えめで、品質も問題無し
Professionalを購入するとCDを制作する為に必要なDDPマスターを作成出来る
音質
オーディオ編集
MIDI編集
マニアック度
Studio One Prime本当に太っ腹のソフトだと思います。
トラック制限や録音の時間制限もない無料のDAWです。
楽曲制作がメインでミックスもおこなうと言う形であれば、こちらのソフトを使用するのも手だと思います。
その際にキーボードのショートカットをプロツールス状態にしておくことによって将来のプロツールス導入にも対応できるのではと思います。
僕はマスタリングの作業をする際にこのDAWを使用するのですが、キーボードショートカットの機能は大変助かっています。
色々な編集の作業の際、拡大や縮小などソフト間で共有できるのは、素晴らしいシステムだと思います。
またVSTを使用して無料のプラグインを使ったり、VSTiで無料のソフトシンセを使用した音源制作など。
多くの拡張プラグインを使うことが可能です。
僕も今まで色々な無料プラグインを使っていました。本当に独創的なエフェクターの数々で面白いものがたくさんあります。
イヤフォン
世界シェア60%?
Apple / AirPods Pro
リスナーと同じ物で確認することが重要
時代はワイヤレス
町でこのイヤフォンをつけている人と合わない方が難しい
音質
シェア
マニアック度
クール
最後にイヤホンを紹介しておきます。
ワイヤレスイヤフォンで音楽を聞く人口の多くの方が現在このイヤホンを使用しているそうです。
Mix師や音楽を作る人間は、時には大勢の人の気持ちになって聞く行為も、おろそかにしてはいけないと僕は考えています。
有線のイヤフォンで音楽を聴く人口はどんどんへ減ってきている。
Bluetoothと言う規格はリスナーにとって便利なものなので市場にどんどん広がっていっています。
実際にこのイヤフォンを使用してグローバルのヒットチャートを上から順に聴いてをいくと、明らかにBluetoothを意識した楽曲や音作りをしていることに気がつきます。
Bluetoothを経由することによって損われる帯域を、あらかじめ補正した状態でマスタリングしている音源多く。
細部の細かな状態が伝わりにくいために、楽曲の構成もコンパクトな方向性の曲が多くなっています。
少ない音数ではっきりとした音像、リスナーの使用する流行の機材に合わせて音楽も流動的に変化していきます。
個人の好き嫌いとは別に、自分が作り上げる作品がこのような状態で聞かれるということを確認する意味では、重要と僕は考えるためこのイヤフォンを紹介しました。
スマートフォンのOSシェア率なども考えて、皆さんもシェアの大きいイアフォンを導入してみるのはいかがでしょうか?
ワイヤレスなので使用するには少し工夫がいりますが、出来上がった音源を一度スマートフォンに入れてから確認するでも問題ないと思います。
その際には、第1Mixの提出、オンライン確認の様々な方法で紹介した、ファイル共有サービスが便利です。
移動のちょっとした時間でのミックスの状態を確認することができます。
リスナーと同じように通勤中や通学中、フィットネスなど、同じ気持ちになって聞くという事はとても重要なことです。
僕はリスナーの人生のBGMを作っていると考えています。
まとめ
いくつかの商品を紹介しました。
お金は限りあるものなのでコストと質のバランスを考えて、僕なら初めての導入で、2020年11月現在この機材を選択すると思います。
録音関係の機器は本当に購入欲を抑えるのが難しいと思いますが、2年3年と経っていくと全く触らないものに囲まれている。
そんな経験は皆さん多いと思います。10何年以上この仕事をしてきて、この買い物は間違いではなかったという物があればまた紹介していきたいと思います。
今回は初めての初めてのDAW入門(Mix師機材購入編)という内容で解説させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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