ディレイは音にやまびこをつけることができるエフェクターです。

ボーカル、ギターやキーボードに使用する以外のディレイ使い方から、空間の音を感じる考え方を解説していきたいと思います。
カラオケで使用するエコーと言うつまみに似ていますが、一般的にエコーはディレイとリバーブが複合した状態のつまみかと思います。
単独でディレイと言うエフェクターを感じるためには、天井の隅の近くでパチンと手を叩いてみると良いかと思います。
部屋の材質によっていろいろな反響が起こると思いますが、短い「ピーン」という反響が聞こえましたでしょうか?

音が壁にあたり反射して、このような音像を生み出しています。
これと同じような状態をディレイは作り出すことが可能です。
歌にかけるディレイは皆さんいろいろ試していると思いますので、今回はリズム楽器に使用する場合のディレイを解説していきたいと思います。

それでは詳しい内容に入っていきましょう!
リズムパートに使用するディレイの設定方法
簡単なドラムループを使って、リズムトラックに使用するディレイの設定方法を説明していきます。
ドラムのループフレーズです。
バスドラムのトラックにこれからディレイを追加しています。
バスドラムのトラックのディレイをオンオフしています。
違いがわかりますでしょうか?
かなり小さな違いなので違いを確認するのが難しいかもしれません。
ディレイの大きさを変えて確認してみましょう。
ディレイのミックスバランスを変更しています。
バスドラムに影をつけるイメージがわかりますでしょうか?
実際に生のドラムを録音する時には、2種類のマイクなどを使用してアタックの成分を録音するマイクと太さを表現する部分を録音することが多いです。

頂いたデータに1種類しかマイクがないような場合はこのような方法で太さを表現することも可能です。

アタック成分と太さ成分の関係性は、太さ成分の方が時間的に遅くした方がバスドラムの立体感をだしやすいと思いますので、音色含めて色々試してみてください!
オススメのディレイをいくつか紹介いたします。
WAVES / H-Delay Hybrid Delay
今回の解説で使用したディレイです。
Protoolsとの互換性が余り便利ではなくなったWAVESですが、このプラグインは現在でも良く使用します。
ローファイとアナログの設定が便利でちょっとした加工が速いので、便利かと思います。
設定がシンプルで簡単操作
WAVES / H-Delay Hybrid Delay
BPMをDAWと簡単同期
ピンポンディレイなどがすぐ作れる
アナログの温かみを調節可能

音質
操作スピード
マニアック度
痒いところに手が届く
H-Delay Hybrid Delayを含むWaves Hybridシリーズのバンドル製品です。
H-Delay Hybrid Delayのみの商品です。
soundtoys / EchoBoy
Line 6 Echo Farmの変わりにスタジオで一般的に使用されているディレイプラグインです。
エコープレックス、スペースエコー、メモリーマン、DM-2などのディレイの名機達をシュミレートしています。
ディレイの音色を色々楽しみたい方は是非こちらを使用してみてください。
細かい設定も可能なので、楽曲ごとにかなり追い込めるディレイだと思います。
ビンテージディレイ好きは必須
soundtoys / EchoBoy
数々のディレイ名機をシュミレート
ピンポン、リズムも設定可能
名機のサチュレーション設定をさらにEdit可能

音質
操作スピード
マニアック度
痒いところに手が届く
EchoBoyのみの商品です。
EchoBoyを含むSoundtoysのバンドル製品です。
Eventide / H3000 Band Delays
このディレイはもう何十年も商業スタジオのエフェクターラックに君臨し続けています。
複雑なディレイを作成することが可能ですが、構造がとても難解ですので初心者の方はプリセットをまずは試してみると良いと思います。
それだけでも、楽曲制作のアイディアが広がったりすると思います。
長い間、H3000の実機を使用してきましたがプラグインの方も操作性と音質が良いのでプラグインでも問題ないかと思います。
複雑なディレイが設定可能
Eventide / H3000 Band Delays
ディレイ音を1つづつ個別に調整が可能
ディレイから新しい楽曲のアイディアも膨らむ
実機と酷似するサウンド

音質
操作スピード
マニアック度
痒いところに手が届く
まとめ
今回はディレイについて解説しました。
ボーカルトラックに使用する方法は一般的ですが、リズム楽器にも使用することで立体的なサウンドを作ることが可能です。

混ざりの悪いリズムループなどに追加するのも効果的です。
ディレイ音を大きく聴きながら、ディレイテンポを切り替えて、スピード感や自分が思う音像に近いと思ったテンポを決めてから、フィードバックやディレイ音の大きさを決定するのがコツです。
しかし位相の乱れを招きますので、適量を考えて追加する必要があります。
位相の考え方はこちらの記事を参考にしてみてください。
人は、色々な場面で相対的に物事を判断する生き物です。

耳に届いた音の時間差によって生成された影を感じることで、物体の立体感を認識することができます。
フェィードバックの少ないディレイを使用すると音を現在地よりも近くに移動することが出来ますが、リバーブでは響きを使用して物体の存在感を遠くに移動することも可能です。
それぞれの用途に合わせた音の影の作り方を研究してみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
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