最近はパソコンでループ選択から音楽を始める方も増えてきていて、楽器の演奏をする前にDAWを購入する方も多いと思います。
ABLETON / Liveなどのサンプルを多く扱うDAWは自分が気に入った雰囲気の音をセレクトしていくうちに楽曲が出来上がっていくような作曲方法です。
DAWには得意分野がそれぞれあり、将来自分がなりたい職業によってDAWの選択も決まるほど重要なことです。
一度一つのソフトを覚えてしまうと、なかなか他のソフトに移行することは難しいので自身のなりたい未来が現在想像出来ている方は、職業にあったソフトを選択してみてください。
先日こんな質問が僕に届きました。
僕は今まで楽器を演奏したことがありません。
初めに練習するとしたらどんな楽器から始めると良いでしょうか?
歌ってみたなどの動画を少し投稿すると、楽器にも興味が湧いてくるかと思います。
世の中には色々な楽器が存在しているので、その中で初めの一つを選択することは確かに大変難しいことかもしれません。
大好きなアーティストや、大好きな音楽で使われている楽器を演奏してみたいと純粋に思うことは当然かと思いますが、僕はこのような質問をされるとき、このように答えています。
和音を発声させる楽器が良いと思いますが、同時に打楽器的な要素も持っている楽器が良いと僕は思っています。
僕は小さい頃に、エレクトーンを学び初めてから、エレキベース、シンセサイザー、エレキギターと楽器の幅を広げていきます。
当時あまり練習をしなかった僕が、エレクトーンの発表会で担当した楽器はヴィブラスラップです。
楽譜に書いてあることを演奏することに抵抗があった僕はとにかく課題曲の練習をしなかった為に、エレクトーンの先生がなんとか考え出した苦肉の策だったのではないでしょうか。
色々な楽曲の中で使われているので、皆さんも必ず聞いたことがあるはずです。
曲のキメの部分で「カーーーーー」という音がなったらそれが、ヴィブラスラップです。
そんな打楽器との出会いに僕は現在とても感謝しています。
電子楽器を否定するつもりはありませんが、子供の頃に打楽器で響きの勉強が出来たことはとても重要だったと思います。
楽曲の中で叩く回数が大変少ないので、いかに素敵な音色を出すかにとても興味が湧きました。
しかも肝心なところで注目を浴びるので、結構な緊張感です。
無段階の音色コントロールから始めないといけないと思いながら楽器選びをしている方はあまりいないと思いますが、アコースティックな楽器の響きをまず体感しておくことがとても重要と考えます。
そういった意味で、アコースティックギターはとても万能な楽器の選択肢となると考えています。
それでは詳しい内容に入っていきましょう!
響きを体感するということ
アコースティックギターは複雑な音色の集合体を発声することが可能です。
和音を発声させることができる楽器でもあり、打楽器のような一面も持っています。
アコースティックギターに耳を当てながら、音を出してみると弾き方によって実に色々な音色が出ていることがわかると思います。
演奏の仕方によって、相手に与える印象をコントロールする訓練がしやすいはずです。
重い音なのか、軽い音なのか、演奏者の弾き方によって色々変化します。
ヘッドの方が鳴るように弾いてみる。
それとは反対にボディーが鳴るような弾き方を考えてみる。
楽器をうまく共鳴させることが出来るかが重要です。
MIDI楽器やエレキ楽器は、この変化が少し小さい為、変化を感じることが少し難しい楽器です。
この練習をする為には、アコースティック楽器が最適だと考えます。
アコースティックギターが現在のオーケストラの編成に入れなかった理由は、音の小ささではないでしょうか?
楽器の構造上仕方のないことかと思いますが、ギターは本当によくできた楽器だと思うので昔の方は悩みます。
その後エレキギターが開発されアコースティックギターよりも大きな音を出すことに成功します。
しかし、スピーカーの材質の問題で音色の幅はかなり損なわれた状態になっていると思います。
なおかつエレキギターをアコースティックギターよりも小さな音量で練習したとしても、それは練習をしていることにはなりません。
指の体操をしていることにしかなりません。
楽器とはスポーツではないので、指の動きを練習するよりも音色のコントロールが大変重要です。
自分が演奏した時の響きが相手にどのような印象を与えているのかを体感することが重要と考えます。
たくさんの響きをコントロールできるかどうかが、重要です。
エレキ楽器の選別の仕方
アコースティック楽器で音の響きを体感できている方は、エレキ楽器の選別の仕方も楽になると思います。
自分がコントロールしたい音色の幅があるかどうかを確認すれば良いわけです。
楽器によっては誰が弾いてもいつも同じ音が出る楽器もあれば、コントロールの難しいF1カーのようなエレキ楽器もあります。
僕も若い頃に買った楽器は◯◯さんモデルの楽器でした。
誰が弾いても同じ音が出る難易度の低い楽器です。
10数年後に、本物のエレキ楽器を手にして本当にびっくりしました。
今まで自分が何も演奏できていなかったことを実感するのと同時に、楽器を演奏する面白さを初めて理解しました。
エレキ楽器の試奏の時に考えること、同じ音を演奏する時にヘッドの方で音が鳴るか、ボディーの方で音が鳴るかどうかなど音の変化が感じられるかをチェックします。
音が詰まっている楽器は、どのような弾き方をしても同じような音色しか出ません。
アコースティック楽器の感覚と同じような変化がするかどうかで選択していくと良いと思います。
今所有している楽器に傷をつけていくことでも、この変化の方向性を可変することも可能です。
レリック加工というワードで検索すると色々な手法がでてきます。
僕が今メインで使用しているギターはレリック加工された物を購入しました。
録音にもこの考え方を応用する
この考え方は、録音をする時にも応用できる考え方です。
例えば自宅でエレキギターの音作りをする場合、どのくらいの音量で音色を決定しているでしょうか?
多くの方がとても小さな音、アコースティック楽器よりも小さな音量で音色を判断していると思います。
果たしてその音量で、響きを確認することが出来ているでしょうか?
宅録はとても大きなハンディキャップを抱えた状態で作業をおこなっているということになります。
音量の大きさと共に音色は変化をしてくる物なので、宅録で音色を判断する際は十分注意が必要です。
大きな音で体感をすることを増やしていくと、だんだん慣れてきてどんな音になっているかを予測することは少しづつ可能になってくると思います。
大きな音を出来るだけ日頃から体感するような努力が大切になってくると思います。
まとめ
初めに演奏する楽器は何から始めるのがオススメか解説いたしました。
まずはアコースティック楽器から初めて、響きという物を身体で体感することが重要です。
響きを感じることができると、その後色々なことに応用ができるようになります。
この部分を理解している方はミックス中にも響いているかどうかで判断をすることが出来るようになります。
楽器を演奏する人としない人で、響きという言葉の捉え方も変わってきます。
この意味はとても重要な判断基準になってきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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