僕は最近の宅録環境にIK Multimedia / iLoud MTMをオススメすることが多いですが、今回空間オーディオ制作でも活躍してくれそうなニュースが入ってきました。
K Multimedia / iLoud MTMは非常にコンパクトなスタジオモニターで、部屋の環境に合わせて自動でスピーカーの特性を補正してくれる機能を持っています。
宅録環境では様々な設置環境の問題があるので、自宅などの音響的に困難な場所での作業の強い味方だと思っています。
専用のマイクとソフトウェアで簡単に自分の部屋にマッチしたスピーカー特性に変身してくれます。
スタジオモニターは通常作業をする人の耳と同じ高さに設置する必要がありますが、この商品はどんな場所に設置してもスピーカーの角度を調節する仕組みが整っています。
今回、このスピーカーが空間オーディオ制作にも対応したということです。
それでは詳しい内容に入っていきましょう!
空間オーディオとは
少し前にこちらの記事でふれましたが、現在空間オーディオが いろいろな機器に導入されていっています。
ヘッドフォンや、イヤフォン、2chのスピーカーでも立体的な音像が楽しめるようになる技術で、最新の新型MacBook Air(M2、2022)のスピーカーにこそっと搭載されています。
ほとんどの方が全く注目していないと思いますが、2chのスピーカーで立体的な音声が体験できるので徐々に話題になってくると思います!
空間オーディオは主な利用用途は映画音響だと思っています。
例えば頭の上を飛び越えていく飛行機の効果音や、ホラー映画でゾンビが下から這い上がってくるような音を表現するために開発された技術です。
昔から5.1チャンネルのサラウンド技術はありましたが、ユーザーが多チャンネルのスピーカーを設置するなどあまり現実的ではない側面があり全く普及しませんでした。
映画館でも7.1チャンネルなどの技術が利用されてきましたが、皆さんが想像するようなスピーカーの設置位置ではなくあまり効果的な技術ではなかったと思います。
映画館で5.1チャンネルのサラウンドの音を納品した場合画像のような状態で音が再生されます。
映画館のスクリーンの後ろに3つのメインスピーカーがあり、1.2.3番のスピーカーを利用してどの客席からも良い感じに聞こえるような音像を作成します。
.1チャンネルは、重低音専用のウーハーと呼ばれるスピーカーで、低い音を専用に受け持ちます。
1つのみ設置されている施設もあると思います。
僕がサラウンドで問題と思っていたのは、4.5チャンネルのスピーカーの設置位置です。
客席の横付近から後方付近全体が2系統の信号に分かれているだけなので、あまり効果的な配置のスピーカーではなかったと思います。
音響的な効果を映画的につけたかったとしても、観客に与える効果はあまりなかったと思います。
僕のようにライブ作品をミックスする者からすると、4.5チャンネルはお客さんの歓声や、リバーブやディレイなどを少し配置する程度で、家庭用の映像商品になってくるとスピーカーと視聴者との距離が近いので、1チャンネルの意味もあまり感じていませんでした。
1チャンネルは、映画館のような会場の広い場所でどの席に座ってもセリフなどが聞きやすいような音声を作る場合に必要性を感じています。
現在主流になってきている、Dolby Atmos、SONY 360 Reality Audio、Apple 空間オーディオは配置出来るスピーカーの数が増えて、視聴者を覆うような空間をそれぞれ表現してきています。
それぞれのフォーマットで仕組みが違うので必要とするスピーカー数なども違いますが、結局Dolby が今回も業界を制覇するのではと僕は思っています。
SONYの技術は大変素晴らしいのですが、これ系の技術は常に多くの人が使用するかどうかで決定していて、オーバースペックな技術は主流にはならないようです。
足元から音が聞こえる感覚は非常に面白いのですが、PS5などで是非進化していって欲しい技術だと願います!
常に音楽的利用では、あまり積極的に利用する風潮は昔からありませんが商業スタジオなどでは設備がないことがデメリットになる為徐々に皆さん設備を整えていっている状況です。
Dolby Audio Room Design ToolがiLoud MTMスタジオ・モニターをサポート
たくさんのスピーカーのキャリブレーションを行うことは大変時間のかかる作業です。
スタジオの方が紐と分度器を持って数時間スピーカーの調整を頑張っているのをみていると、このような自動システムは大変便利な時代がやってきたと思います。
自宅などでは、理想的な位置にスピーカーを設置することはまず不可能で当然皆さん妥協した位置に設置していると思います。
そういった面でのごまかしもある程度受け入れてくれる機材だと認識しています。
また筐体が小さくコンパクトなので、マイクスタンドなどに設置して簡易的に作業場所を作れるところも普及したポイントだと思います。
ライブ会場での同時配信ライブなどをリアルタイムミックスする際など、決して 音響的に優れていない控え室などで作業をすることも多く、こういったキャリブレーションスピーカーは大変活躍します。
ミックス師が一番大切にすることは、いかに 普段と同じようなモニター環境を整えるか、毎日の体調の変化があったとしても常に正確な音蔵の判断ができるかです。
モニタースピーカーを一定の状態にしておくことによって、自身の耳の問題にも素早く気づくことができます。
このiLoud MTMにお気に入りのウーハーを合体させれば、イマーシブ・オーディオ制作環境が完成するという訳です。
追加するサブウーハーはどんな物でも問題はないと思いますが、マンションなどでない方であれば10インチの物が本来は良いと思います。
8インチだとほんの少し物足りない感じにはなると思いますが、これはご近所迷惑との関係性重視で選択してください。
安心の10インチウーハー
PRESONUS / Temblor T10
ローを感じるのはやっぱり10インチ
極性スイッチが0°と180°なので設置場所は少し限定される
リーズナブルなお値段
音質
操作スピード
重低音
設置のし易さ
まとめ
あらためて宅録スタジオモニターで一番の選択肢だと思いました
空間オーディオに関しては、皆さん常に懐疑的な印象を持っていると思いますが、この商品は本当に痒いところに届く製品だと感じてます。
こんなに小さいのに自動EQ補正スピーカー
IK Multimedia / iLoud MTM
初心者に優しい自動EQ補正機能
スピーカースタンドが無くても設置可能
音響設計されていない家庭環境に最適
音質
操作スピード
マニアック度
クール
低音の部分をウーハーで補えば、しばらくは高級なスタジオモニターを導入しなくてもなんとかなるのではとも思います。
マスタリングを誰かにお任せするような方であれば、IK Multimedia / iLoud MTMだけで作業を行っていても、そこまでの問題は発生しないと考えます。
スタジオモニターは、それぞれの人の好みが大きくわかれますので徐々に詳しくなっていった時にご自身が好きな物を購入すると思いますが、初めの一歩としてはとてもオールマイティな製品だと思っています。
導入する機材は全てバランスが非常に大切で、徐々にアップグレードをしていくことが重要だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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