Pro Toolsの大型アップデートのニュースが入ってきました。
大きくは以下の2点のアップデートかと思います。
- HDX上でハイブリッド・エンジン機能を実現(Pro Tools | Ultimateのみ)
- M1ベースMac での動作が可能に!(全てのPro Tools)
他にも細かなアップデートはありますが、今回はこちらの2点に注目していきたいと思っております。
どのPro Toolsを使用している方にとってもメリットの大きい内容になります。
バグなども無く安全に稼働してもらえることを期待しています。
それでは詳しい内容に入っていきましょう!
HDX上でハイブリッド・エンジン機能を実現(Pro Tools | Ultimateのみ)
ハイブリッド・エンジンはPro Tools | Carbon に搭載されていた機能でトラックごとにレンテンシーのコントロールが可能になる機能です。
今まではユーザーが各チャンネルのボイスをDSPで駆動するのかネイティブ(CPU)で駆動するのかを選択出来ない状態でした。
その為、HDXシステムではカードの枚数によって立ち上げられるトラック数に限りがある状態でした。
大規模なトラック数を扱うセッションでは、ミキサー機能でDSPを占有していく為、追加のカードが必要になることも多かったです。
今回のアップデートによって、DSP or CPUの選択が可能になりボイス数は2048に変更になっています。
音楽ではまず使用することはありませんが、映画などの仕事では大変助かる機能だと思います。
2時間の映画には色々なセリフ、効果音、BGMなどたくさんの音が収録されています。
また出力するスピーカーの数も、どんどん増えていっています。
5.1chから始まり、現在では天井一面のスピーカーに個別の音声を送るシステムも主流になってきました。
飛行機の音が頭の上を通過する音響を映画館などで楽しめる時代です。
ホラー映画で、床からゾンビが這い出してくる映像に合わせて床に設置したスピーカーから音を出すなんてことも可能です。
各スピーカーへ音を送るにも、使用出来るトラック数は多い方が良いということかと思います。
実際にボイス数2048トラックを立ち上げてみました。
読み込む音声がない状態で再生しているので、負荷はあまりないですが実際に大量のトラックが立ち上がっているのを見ると凄い技術だなとは思います。
またCPUを使用してプラグインなどを駆動させているとレイテンシーが大きくなっていき、音作りをしながらの録音はなかなか難しかったのですが、ハイブリッド・エンジン機能を使用してニア・ゼロ・レイテンシーで駆動することが出来るようになります。
ただし、AAX DSPに対応しているプラグインである必要があるので注意が必要です。
このニュースでプラグインメーカーに、AAX DSP対応をお願いしているように僕が感じました。
Pro Tools | carbonの記事の中でも少し解説しましたが、HDXのチップ問題とプラグインメーカーの 開発の歴史はとても一言では語れないと感じています。
WAVESがあまり使用されなくなってきたことも、UADプラグインがレイテンシー問題を抱えていることもAAX DSPへの対応の問題が全てだと思います。
ただ商業スタジオの普及率を考えると、どうしてもPro Toolsを使用せざるおえないので、録音時はAAX DSPに対応しているプラグインを使用している方が多いです。
M1ベースMac での動作が可能に!(全てのPro Tools)
M1チップのMacで動作が可能になり、新しいMacを購入していた皆さんは大変このニュースを待っていたことかと思います。
これらの新作Macでも、そろそろ使用し始める方も増えてきそうです。
CPUチップの変更は大きなアップデートだと思いますので、まだバグは多いと思いますが少しずつソフトが対応していってくれることでしょう。
細かな設定画面の変更
Intel CPUを使用している方には嬉しい機能かと思います。
日本語表示にはバグのような物を発見ですw
サイドチェーンの遅延補正がしっかりと確認できます。
ダッキングなどをおこなう方には嬉しい機能かと思います。
AAX DSPに対応しているプラグインメーカー
最近スタジオで使用されているAAX DSP対応のメーカーはPlugin Allianceかと思います。
HDXを所有している方であれば、MIX & MASTER Bundleを年間サブスクリプションするのも良いかと思います。
ミックスとマスタリングに必要なプロ向けのプラグイン
Plugin Alliance / MIX & MASTER Bundle
Brainworx bx_console SSL 4000 Gを使用して、HDXでSSL 4000 Gのような快適なレコーディングを実現
痒いところに手が届くプラグインパック
年間サブスクリプションタイプも販売している
音質
操作スピード
マニアック度
痒いところに手が届く
まとめ
今回はPro Tools 2021.6のアップデート内容に関して解説しました。
大きく変更点は以下の2点です。
- HDX上でハイブリッド・エンジン機能を実現(Pro Tools | Ultimateのみ)
- M1ベースMac での動作が可能に!(全てのPro Tools)
使用できるトラックは2048ボイスに変更になり、トラックごとにDSP、CPUを割り当てることが可能になっています。
再録音したいトラックはDSPに割り当て、ニア・ゼロ・レイテンシーでモニタリングすることが可能です。
M1 CPUへの対応は、新しいMacを使用したい方には嬉しいニュースかと思います。
このような大型のアップデートにはバグがつきものなので、別の起動ディスクにインストールするなど慎重な対応が必要になると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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