各楽器の関係性を考える

Mixの概念

Mixのやり方は人それぞれ様々あると思います。ボブ・マーリーの有名な曲のボーカルはセンターよりも少しずれた場所にあります。これが正解と言うことではそもそもないので、自分の納得するMixの進め方を見つけるヒントにしてもらえればと思います。今回の内容は届いたデータの内容を確認するという内容なので、過度のイコライザーやコンプはかけないという前提になっています。



ドラムやパーカッション、リズムを示すシンセやSE

僕はまずバスドラムの大きさから調整していきます。マルチマイクであれば、バスドラムの中に配置したアタックを収音したマイク、対照的にバスドラムに穴が開いている部分店に設置された深みや味の部分を収音したマイクその2つを使って実際に目の前でバスドラムが鳴っているのを想像しながらボリュームを決めていきます。この時に位相のチェックをしますし、アタック用のマイクと深みや味の部分を注文してるマイクの距離感をずらすなども行います。深みや味の部分を収音したマイクを80ms程度ディレイをかけることが多いです。目を閉じて、ディレイの値を変えていくと自分なりの良いところが発見できると思います。

バスドラムの音質が決定できたら次はスネアドラムです。スネアドラムには打面の収音するトップのマイクと、スナッピーなどを収音するボトムのマイクが設置されていることがあります。トップに対してボトムの位相が正相になってるかどうかを確認し逆相であればフェイズを入れ実際にスネアドラムが目の前でなっているのを想像しながら配合していきます。

次にハイハットを聞いていきます。ハイハットには不必要な低音の成分が入っていることがありますが僕はあまりローカットをきつめに入れる事はしません。バスドラム、スネアドラム、ハイハットの関係性が楽曲におけるリズムの重要なパートを示していると思っているからです。なのでこの3つの音マイクはセンターに配置することが多く、3つのバランスがある程度均一になるような聞こえ方を目指します。バスドラムが太くなりすぎればもったりとしたリズムの印象になりますし、スネアの余韻が長すぎても独特なリズムに感じてしまうと思います。ハイハットが高音により過ぎていても、リズム楽器としての機能をあまり示さなくなっていくと思っています。まずその3つグルーヴを感じられるような状態を目指します。

この後にトップやオーバーヘッドのマイクを混ぜていき、位相のチェックをしていきます。トップのマイクを混ぜていくと、立体感が出て来るのと同時に、少しずつ音像の変化があると思います。実音が遠のいていくので、自分のイメージに合ったところまでトップマイクを出していきます。

この後はタムやフロア、スプラッシュシンバルやライドシンバルなどを追加していきます。その際も位相のチェックをしていきます。最後にルームマイクがあれば足していきます。このマイクの位相チェックはかなり難しいと思いますが、瞳を閉じてどちらの方が自分の想像しているドラムの部屋なのかを考えながら決めていきます。

ある程度バランスが取れたらパーカッションやリズムを示すシンセやSEを足していきまが、注意するポイントはエッセンスとして追加をするということです。追加された部分とそのパートがない部分、バランスに注目してください。



ベース

ドラムの音がすべて出たら次はベースになります。バスドラムとの関係性で音量を決めますイーブンな状態を作れたと思ったら。このベースはドラムのさらに低音を支える役目なのか、バスドラムとギターやキーボードの間を支える役目なのかを考えます。バスドラムやベースを作った人の音色によって必ずどちらかの方向性が見えてくるはずです。確認ができたら次へ行きましょう。

ギターやキーボード、ストリングスなどコードを示す楽器

ギターやキーボードの音量を決定していきます。ベース(ルート音)に対してのコード楽器をつける気持ちで音量を決めていきます。うまく確認することができない場合はドラムをミュートして音量を決めます1番コードの響きとして充分と感じる分量を設定していきます。

もしベースとの境界線が曖昧でお互いが干渉しているような場合はコード楽器のほうにローカット入れてみましょう。入れたローカットをバイパスしてみてどのくらい実音に影響与えてしまったのかも何度か確認する必要もあります。
ギターやキーボードの音量が決定できたらハイカットフィルターを準備します。なだらかなカーブのもので大丈夫です。フリケンシーを移動させていくと自分のスピーカーのツイーターから音が出たり出なくなったりするのが分かると思います。こもってしまったと思う音像の限界までハイカットを入れておきましょう。


僕はツイーターの役目は歌や旋律を奏でる楽器の為だと思っています。特にギターはその部分に干渉する場合が多いので注意が必要だと思っています。



ボーカルやギターソロ、旋律を示す楽器。そしてコーラス

この後にメインボーカルを足していきます。コード楽器に対してどのくらいのメロディーを入れたいか。それを考えながら音量を決めていきます。この段階では歌詞の聞き取りやすさは無視しておいて大丈夫です。メインボーカルの音量が決まったらコーラスを追加します。コード楽器とメロディーと繋ぎとして考えていきます。

全てのトラックのミュートが解除されたら

全てのトラックの音が出来たら初めから終わりまで、目を閉じて聞いてみましょう。色々思うことがあれば、それを調整していく、これがMixの仕事ということになると思います。もし何もやりたいことがなければMixは終わりです。Mixとはこうゆう事だと僕は思っています。



まとめ

今回は各楽器の関係性を考えるについて解説しました。誰かの楽曲をMixするという事は、単品のパーツの音がどんな音が良いとか、この楽器はこれが良い音だというような話ではないと僕は思っています。何かしらの理由で楽曲が現在このような音像になっている。現在の状態をまず確認してみることが重要と僕は考えます。皆さんも是非、届いたデータをゆっくりと確認する時間を作ってみてください。

次回は各トラックのグルーブチェックについて解説したいと思います。

裏スタ
裏スタ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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