今回はマスタークロックジェネレーターについての解説になります。
オススメ宅録Summing mixer(サミングミキサー)3選で解説したような、アナログのパワーを利用する方法ではなく、PC内部完結型のミックスを追求する、マスタークロックジェネレーターの導入を検討している方に向けた内容になります。
- ミックスのクオリティーアップには大きく2つの方向性があります。
- PC内部完結型の方は、外部クロックの導入を検討(トータルリコール重視)
- 夢のアナログミックスを実現したい方は、サミングミキサー導入を検討(PCの進化を待っていられない方)
レコーディングに使用されるデジタル機器は、それぞれクロックと呼ばれる基準をもっています。
マスタークロックジェネレーターがなくても、デジタル機器を使用する事は可能ですが、高性能なクロックを使用することでシステムの揺らぎを抑えることが可能になります。
高品質なクロックは主に高音域に影響を与え、レコーディング時、ミックス時様々な面で効果が得られます。
Mix用とRec用オーディオインターフェイスを分けて考えるの記事の中でご紹介したような、Universal / Audio Apollo x8pなどのモニター問題なども、マスタークロックとの組合せで自分の好みの方向性の音質に変更することも可能です。
一度導入すると、どこにでも持ち歩いて接続したくなってしまうので(元のクロックで作業することに不満が生まれてしまう)荷物が増えてしまうことにはなりますが、 DAWの中のすべてのプラグイン、ミキサーなどの機能をパワーアップさせることができるので、PC内部完結型の方には是非オススメしたい機材です。
マスタークロックのWord Clock Outとデジタル機器のWord Clock Inを接続するだけで、後はいつもの作業をおこなうだけです。
オーディオインターフェイスの中には、その筐体の中に優れたクロックを持っている機種も存在します。
優れたクロックを持つ、ライブ録音などにも適したオーディオインターフェイス
RME / Fireface UFX+
優れたクロック技術SteadyClock搭載
ライブ収録などで便利なDirect USB Recording(PCとUSBドライブに同時録音可能)
レイテンシフリー、CPUに不可なく使用可能なソフトウェア・ミキサー
無着色
操作スピード
マニアック度
クール
RMEに搭載されている、SteadyClockはマスタークロックとして使用しても大変オススメできる商品です。
Mix用とRec用オーディオインターフェイスを分けて考えるで紹介した、RME / Babyface Pro FSとUniversal / Audio Apollo x8pなどをお持ちであれば、ADATで接続しRME / Babyface Pro FSをクロックマスターにして使用することが可能です。
色々な機器から外部クロックを受けてみて、クロックによる変化を是非体験してみてください。
色々な仕事を並行して作業していて、スピード感をいつも求められています。
トータルリーコールがもっとも重要と考え、音が良いとされているハードウェアは全て諦めていて、今まではPC内部完結型で作業してきたんだ!
こんな僕にも何かクオリティーアップの良い方法はありませんか?
音楽業界の仕事は、作業途中で一旦保留になることは多々あります。
ミックスの修正連絡待ちや、アレンジの確認待ちなど色々な仕事を並行に進めていくので、アナログの機材を多用している場合は、設定を写真やメモなどにつまみの位置などを保存しておく必要があります。
PC内部完結の環境の場合は、セッションを立ち上げるだけですぐに作業を始めることが可能です。
自宅のノイズ軽減電源タップや高級電源ケーブルなどもPC内部完結の重要なポイントになりますが、マスタークロック導入もとても有効な選択肢になります。
それでは詳しい内容に入っていきましょう!
マスタークロックジェネレーターを使用しない場合
マスタークロックジェネレーターを使用しない場合は以下のように、最初にデジタル出力を出す機器がクロックマスターになります。
ADAT OUTの付いているHAのクロックの揺らぎが、システム全体に影響を与えます。
どんなに素晴らしい内部クロックを持っているオーディオインターフェイスもこの接続方法では内部クロックを使用することは出来ません。
マスタークロックジェネレーターを使用する場合
このような接続をすることによって、システム全体をマスタークロックジェネレーターのクロックを使用できるようになります。
マスタークロックジェネレーターには、複数のWORD OUTを出力できる機器もありますが、WORD IN のクロックにロックしたADAT HAから出力されたデジタル信号からクロックを受け継いでいく方法で問題ありません。
Audio Design / SyncroGenius HD-Pro
優れたクロックを持つ、ライブ録音などにも適したオーディオインターフェイス
Audio Design / SyncroGenius HD-Pro
GPSアンテナとドッキングして空に飛んでいる人工衛星のクロックを使用可能
Wordclockの仕様をカスタムオーダー可能
OCXOクリスタル・オシレーター搭載に変更も可能(HD Pro+のみ)
拡張性
操作スピード
マニアック度
クール
とても色々な機能を持っているクロックです。
仕様をオーダーで決定出来るのも良いところです。
GPSアンテナと接続して、人工衛星とロックして使用するのも夢があって良いと思います。
Black Lion Audio / Micro Clock MkIII
多くのレコーディングエンジニアの指示を獲得
Black Lion Audio / Micro Clock MkIII
リーズナブルな価格設定
コンパクト設計
簡単操作パネル
拡張性
操作スピード
マニアック度
クール
シンプルで、リーズナブルなクロックです。
接続した時に、自分が好きな音かどうかが重要です。
大変コンパクトで、どこにでも持っていくことが可能な製品です。
コンシューマーなOUT が付いているところも、実際の現場をよく考えられた設計だと思います。
Antelope Audio / 10MX
優れたクロックを持つ、ライブ録音などにも適したオーディオインターフェイス
Antelope Audio / 10MX
ルビジウム10MHzも出力できる
10MとTrinityの機能を1台にぎゅっと納めたクロック
精度だけを追求するのではなく、サウンドも意識して設計されたクロック
拡張性
操作スピード
マニアック度
クール
ルビジウムクロックの10MにWORD OUTなども出力できるようにしたクロックです。
この機種によってやっと、レコーディング現場でも導入が考えられるようになってきたと思います。(10MHz OUTのみだと宅録ではちょっと使用しにくいです。)
とても滑らかで、お値段を後悔させないクロックではあると思います。
まとめ
僕の好みをお伝えするならば、Antelope Audio / 10MとAudio Design / SyncroGenius HD-Proがベストな組合せでした。
クロックの世界は本当に好みの世界だと思いますので、購入前には絶対に試聴やレンタルなどをオススメします。
マスタークロックの導入はトータルリコールの利便性を追求しながら、音質を求めるにはとても素晴らしい選択だと思います。
過去に発売されていたクロックも中古などでたくさん出回っていますので、その辺りから導入してみるのも良いかもしれません。
オススメ宅録HA(ヘッドアンプ)3選で紹介した入力の機器をパワーアップさせると同じくらい、DAWにとって重要なポイントになりますので是非検討してみて欲しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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