今回は、ランキング急上昇中のKing Gnuさんの三文小説(日本テレビ系 土曜ドラマ「35歳の少女」主題歌)について僕が思ったことを書いてみます。
各ゾーンに感じたこと
0:01
いきなりですが、この曲には楽曲のイメージを伝える為にとても重要なポイントが登場します。
一見、音楽とは関係をもたなそうな複数の音のかたまりです。
映画やドラマ、映像の作品ではよく使用される方法でリンキン・パークなども多用しているこの手法ですが、楽曲に独自性をだすと同時にリスナーの記憶に残ります。
誰かにこの曲を説明するとき、あの〇〇の音が入っている曲など説明できるので重要なパーツだと思います。
しかも、曲のタイトルを表現するような、ミステリアスな何かを感じさせています。
0:05
ボーカルのパートが、この曲の大半をしめるメロディ(メロディA)を歌い始めます。
かなりの印象をこのメロディで与えようとしていることが、後半にわかってきます。
ピアノともストリングスのピチカートとも言えない、何とも言えない優しい音色が独特で面白いです。
0:25
メロディAが別の楽器にわたされました。
ボーカルは一旦休憩、シンセベースの登場で場面展開したように感じさせます。発見しやすいように波をうつような音色です。
でもまだそこまで変化をリスナーに与えたいわけではないので、ストリングスのアレンジはこのゾーンでも継続中です。
0:50
もう一度ボーカルがメロディAを歌いだします。
0:05と同じような展開だとリスナーが少し飽きる可能性があるので、少しフレーズが細くなってきています。
転がり落ちていくような感覚が増したように表現されています。
1:12
スネアロールとドライな音像のコーラス、新しいメロディBが登場したことによって劇的な変化をこのゾーンでは感じられます。
ストリングスアレンジはこのゾーンでも継続して、0:50のゾーンを引きずる形で、次のゾーンまで盛り上がりを我慢して欲しい印象を残します。
1:35
メロディCの登場と、リズムの間隔が大きくなっているので、このゾーンは大変伸びやかな印象を与えられると思います。空間が広がり、ミックスはドラムを強く表現するような内容に変わっていると思います。
ハモのリバーブが深くなり空間の幅広さも感じられるようになっています。
1:56
優しい、独特な音のソロゾーンです。メロディAを誘う内容です。
2:07
スネアロールとフレーズの短くなった伴奏パターンで、0:50ゾーンよりも気分の上昇を表現しています。
2:19
シンセベースも追加していますが、0:25ゾーンほど激しい音色にはせず。
隠し味程度で追加されました。
2:29
リズムの音色を少しデジタルにして、人生の楽しさを表現しているように感じました。
2:19ゾーンで出てきたシンセベースは、その導入のためでした。
3:15
隠し味のオルガンがピアノ、ドラムソロをより高揚感のある状態に表現しています。
3:25
メロディCの亜種がたくさん登場してきます。
もうメロディCの原型はリスナーの中にもう入ってきているので、形を崩していきそれぞれのパートが必殺技を繰り出しています。
4:13
ピアノのペダルを踏む音かなと思いますが、この音を残すのがとても好きです。
0:01ゾーン冒頭の効果音と共にとてもドラマチックです。
人生には立ち止まることもあります。
4:13
冒頭のメロディAに戻ります。ピアノのシンプルな伴奏で締めとなります。
歌詞の中にもある、晩年の2人の静かな生活を表現してるように感じました。
4:33
徐々にゆっくりになっていきます。
限りある物だから美しく感じる、とても相対的です。
楽曲を聴き終わって思ったこと
冒頭の効果音(曲の匂いのような物)と、2つのメロディA、メロディCとが記憶に残っています。
その中でもメロディAの記憶が一番大きいので、歌詞の内容をアレンジでも表現しているように感じました。
繰り返しのメロディに、繰り返しの毎日。
それぞれの人生は平坦で、意味がないように思えるけど
時折おこる、劇的な変化があるからこそ平凡な毎日の大切さに気づく。
全ての人生は掛け替えのない物、そんなことを教えてもらえたような気がします。
今回は「King Gnu – 三文小説」についてMix師が思うことを書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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